2019年3月12日 もんちゃんが亡くなりました。約15年のやぎ生でした。破傷風。脳梗塞。
拙い文ではありますが、少しでも誰かのいつかの何かのお役に立てればと、、。ここに「闘病・備忘」録として記したいと考えました。
1月21日
これまですぐに完食する朝ごはんに殆ど口を付けない。鼻先の色が悪く体が震えていて、小屋から出て来ない。太陽が上り、少し引っ張ると外に出て日向ぼっこをして震えは収まる。1日動きが少なくぼーとしていた。小屋の中の隙間を塞ぐ。うんち、おしっこが少ない。反芻も殆どしていない。乾草と白菜とふすま湯を少しずつ食べた。
1月22日
朝、白菜とふすまを食べた。うんちおしっこいつも通りの量出た。動きが少なく調子は悪そう。日中日向ぼっこして過ごす。
この時は朝晩の寒さのために食欲が落ちていると考えていました。15才と高齢なことも含めて。小屋の中で温かく過ごせる様、敷藁を増量し小屋の小さな隙間を埋めました。ヤギは胃の中で食べたものを消化、発酵させることでも熱を生みます。冬の食事は体温維持の意味でとても重要です。もんちゃんへは乾草(チモシーとオーツ)をメインに与え、1日2回濃厚飼料とアルファ、ふすま。おやつとしてニンジンや白菜などの野菜を与えていました。アルファ(豆科の植物)やふすまは嗜好性が高い一方、与えすぎは鼓腸症(胃の中で異常発酵しガスが溜まり最悪死亡する病気)の原因にもなるため1日量を量り与えすぎには気を付けていました。熱源としては野菜は水分が多く(栄養面では○)下痢することがあるので、乾草が適しています。この頃のもんちゃんは特に乾草を残すことが増えていました。そんな時は乾草に好物のふすまを少量振りかけるとつられて食べていました。
1月23日
朝、食欲は戻り一安心。
午後になり容体が悪化。立った状態でふらふらし、横になる。頭を高く上げている。反芻なし。小屋にヒーターを設置し温める。動物病院を探すもこの日の内には見つからず。
1月24日
朝、依然頭を高くしたまま思うように下を向けない。食欲なし。ご飯、水入れに台を付けて飲食しやすいようにした。瞳孔が開いていた。呼吸は早くない。口が開いてる。自分で小屋の中で体勢をこまめに変えるが外には出ようとしない。体の震えはない。
保健所を通してヤギを診察可能で尚且つ往診してくれる獣医さんを探し、午後診察してもらえることに。そして、モンちゃんの様子を診てすぐ獣医さんから破傷風の診断を受ける。
ヤギの破傷風の特徴
・首が強ばり頭の位置が高くなる
・口元が強ばる
人間が感染した場合と似ていて首や口元に異常が見られるそう。この症状は破傷風特有のためすぐに診断がつくとのこと。
この症状が見られた場合速やかに獣医さんに診てもらってください。対応が早ければ早いほど後遺症が少なく回復する確率も上がります。致死率が高いので急いで欲しいです。何より病気になる前に病院をピックアップしておくことだと痛感しました。そして、破傷風のワクチンを射っていない方は特に感染動物の血や粘膜に触る可能性がある時は手袋をしてください。今回診てもらった獣医さんからはヤギの破傷風ワクチンがあるとの話もありました。(ネットで調べるとワクチンは無いと言う獣医さんも要るようで、病院によるのかもしれません、、。)
もんちゃんはすぐに血清と抗生剤を点滴してもらいました。血清は強い薬のためショックを起こす場合もあり、様子を見ながら点滴を流していました。幸いもんちゃんはショックはありませんでした。
破傷風といえば錆びた釘を踏んだ時や事故で怪我した際に土が傷口に付き破傷風菌が入り感染するものという印象が強かったです。土壌菌と呼ばれる土の中20㎝程の深さに潜み、空気に触れると死滅する特徴があります。もんちゃんに外傷はありませんでした。獣医さんに聞くと今年(2019年)の冬は関東では雨や雪が降らず異常に乾燥していることで、強い風で土と一緒に菌糸が舞い上がり粘膜に付き感染した可能性も考えられるとのこと。高齢で免疫力が落ちていた可能性も。
家畜の破傷風菌への感受性
馬 牛 羊 ヤギ 豚
高 → → 低
ヤギは決してかかりやすいとは言えない。
自力で小屋に戻れず抱えて戻りました。
この日から2月4日まで毎日抗生剤の注射を継続。
1月25日
瞳孔は通常に戻った。
首が突っ張り頭が高いのは変わらず。
頭を下げづらくご飯と水は台の上か持ってやる。食欲は少しある。
昼前に小屋から出して日向ぼっこさせる。
良く歩くがまだよろつきはある。
菌はおしっこで体外に出るそうで、ふすま湯をこまめに飲ませる。が、あまり飲みたがらない。
うんち おしっこする
反芻もたまに見られる
自力で小屋に戻れた。
この日、夕ご飯をほしい!早く!とせがむ久しぶりのもんちゃんの姿がみられた。すごく嬉しかった。
夜の乾草も美味しそうに頬張る。
1月26日
朝、自力で外に出てきて白菜、干しニンジン、ふすま湯少しずつ食す
うんち おしっこする
首が突っ張り頭が高いのは変わらず
昨日とほぼ変わらなく見える
獣医さんに電話で状況を伝える
抗生物質の注射を継続するよう言われる。
1月28日
うんちおしっこする
首はまだ高い。
自分で歩いて休んで少し進んでの繰り返し。
朝は調子が特に悪く夕方にかけて元気になる気がする。明け方の寒さが堪えているのか。ヒーターは毎夜つけている。
1月31日
朝、小屋の外で倒れていて震えが止まらない。
ヒーターと藁で暖かく
右前足が着けない
昨晩中に転び骨折したか?
獣医さんの診察を受ける。脚の腫れや外傷はない。破傷風を発症し、食事を充分に取れていないことで栄養不足になっている可能性があるとのこと。ビタミンBのサプリメント(人間用)を食事に混ぜて与え始める。
2月上旬
依然立った状態で足元がおぼつかない。歩き方がよろよつく時がある。右前足は付けるようになった。
寝起きや小屋の出入りも自分で出来る。活発な動きは無いが、いくぶん首の突っ張りの症状が落ち着き食欲もある。日中は日向ぼっこして過ごす。鉱塩をよく舐める。
2月中旬
破傷風の症状は良くもなく悪くもなく。頭は高いが、食事は自分で取る。
動きはゆっくり休み休み。
日中は日向で過ごすことが多い。
2月下旬
よろけて転ぶことが増えてきた。
3月6日
小屋の中で倒れジタバタ。自分で立ち上がることが出来ない。補助して立たせ、落ち着いてからは食欲はある。乾草にふすまを振りかけたものをよく食べた。震えていたためシロ(中型犬)の防寒着を着せる。
3月7日
小屋の出入口がバリアフリーでより広い小屋へ。敷藁を多目に敷くと踏ん張りがきいて立ち上がれたので厚めに。
3月8日
自分で立ち上がろうとしない。補助して立たせるが長い時間立てない。
3月9日
寝たきりになる。
横になりジタバタ脚を動かす。
口元にふすま湯を持っていくと少し舐める。
目が虚ろ。
床擦れしないように二時間に一度は寝返りをさせる。目が傷つかないように頭の下にタオルを敷く。身体下にも毛布。
震えているので身体にタオルを掛けてヒーターで温める。獣医さんに連絡をする。往診は明日になるとのこと。
3月10日
寝たきり。
昨日同様寝返りをうたせる。
体の震え。タオルとヒーターで温める。耳の付け根と首をマッサージすると気持ち良さそう。獣医さんの診察。破傷風による神経麻痺が残っている可能性があるとのこと。ステロイド、抗生物質、ビタミンを点滴してもらう。反応があれば良いがないと今後起きるのは厳しい状況と告げられる。
3月11日
薬の反応が見られない。
口元にニンジンや乾草、ふすま湯を持っていくと、たまに少し口にする。身体の左側を下にすると落ち着くようで、右側を下にすると脚をばたつかせ寝心地が悪そう。なので、左側を下にする時間を長めにしていた。午後になりお腹にガスが溜まり始めた。おしっこ少量。
獣医さんに薬の反応が無いことを電話で伝える。この時、脳梗塞との診断を受ける。破傷風菌が脳神経に達し、脳の一部に麻痺が起きる。麻痺の起きた箇所に血栓ができ。
夜、ニンジンの葉っぱを勢いよく頬張る。
3月12日
獣医さんの診察。
薬の反応が見られない。
この先、寝たきりだと内臓への影響がでる確率が高いと説明を受ける。
安楽死の選択。
もんちゃんを愛する人たちが集まり、最期を見届けました。形見にツノと髭を牧場に残し、遺体は家畜保健所へ。
もんちゃんは優しくてかっこよくて時たまドジっ子で美しいヤギでした。写真を見返すといつもいつもほほえむもんちゃんばかりで、ホースケアガーデンでの生活を楽しんでいた証かな、なんて、、。だけど、だから、涙が出ます。会いたいです。
亡くなってから今日で四十九日を迎えました。
もんちゃんへ、沢山のありがとうを送ります。
形変わっても 季節変わっても
また会えますように。
あげいし
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とらじろう (水曜日, 01 5月 2019 06:14)
皆さんに見守られて
幸せだったと思います
moony (木曜日, 20 6月 2019 03:54)
元気だった頃のモンちゃんを知っているだけに、涙が止まりません。たくさんの笑顔と癒やしをモンちゃんからいただきました。またいつかモンちゃんに逢いたいです。モンちゃん、大好きです。